40代で懸垂ができないのは普通|1回できるまでの手順
40代で懸垂が1回もできないのは当たり前。原因は体重・背中の筋力・握力の3つ。斜め懸垂→ネガティブ→バンド補助と段階を踏めば1回はできる練習法を実体験で解説。

40代で懸垂が1回もできないのは、普通のこと
まず言っておきたい。40代で懸垂が1回もできないのは、恥ずかしいことでも才能の問題でもない。 ごく普通のことだ。
懸垂は自分の全体重を腕と背中だけで引き上げる種目。体重70kgの人なら、70kgのラットプルダウンを1回やるのと同じ。ジムでラットプルダウンを70kgでやっている40代がどれだけいるかを考えれば、いきなり懸垂ができないのは当然だとわかる。
自分も筋トレを始めた頃は1回もできなかった。BIG3ばかりやっていて背中の引く動作を鍛えていなかったからだ。それでも段階を踏んだら、ちゃんと1回できるようになった。やり方を間違えなければ、40代からでも懸垂はできるようになる。
📚 参考: 厚生労働省 e-ヘルスネットの「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」筋力トレーニングについてでも 「筋肉は年齢に関係なく鍛えることができます」 と明記され、成人・高齢者に筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されている。40代からでも遅くない。
この記事では「できない」を「1回できる」に変えるための手順を、順番に書いていく。
そもそも懸垂ができない3つの理由
「できない」と一口に言っても、原因は人によって違う。まず自分がどれに当てはまるかを切り分けてほしい。
理由1:単純に体重が重い
一番シンプルな理由。引き上げる重さ=自分の体重なので、体重が重いほど懸垂は不利になる。同じ背中の筋力でも、体重が10kg違えば難易度はまったく変わる。
お腹まわりに脂肪がついている自覚があるなら、減量を並行するだけでも懸垂はグッと近づく。これは後半でもう一度触れる。
理由2:背中の「引く筋力」が育っていない
40代の初心者に多いのがこれ。デスクワーク中心の生活だと、日常で「何かを引き上げる」動作はまず使わない。広背筋も上腕二頭筋も、引く動作のための筋力が眠ったままになっている。
筋肉そのものがつきにくいと感じている人は、まず背中を鍛える種目から始める必要がある。
理由3:握力が先に限界に来る
意外と多いのがこれ。背中の力はまだ残っているのに、バーを握る握力が先に負けてぶら下がっていられないパターン。これは筋力というより持久力の問題で、対策も別にある(後述)。
できるようになる4ステップ
原因がわかったら、ここからが本番。いきなり懸垂バーにぶら下がって玉砕するのではなく、負荷の軽い動作から順番に上げていくのが正解だ。自分はこの順番でできるようになった。
ステップ1:斜め懸垂(オーストラリアン懸垂)
低い位置のバーやテーブルの下に潜り込み、体を斜めにしてバーを引く種目。足が地面についているぶん、自分の体重の一部しかかからないので、懸垂が1回もできない人でもできる。
背中の「引く感覚」を覚えるのに一番いい。体を一直線に保ったまま、胸をバーに近づけるイメージで引く。まずはこれを10回×3セットできるところを目指す。
ステップ2:ネガティブ懸垂
「上げる」のは無理でも、「下ろす」だけならできる。台に乗って上のポジションまで体を持っていき、そこからゆっくり時間をかけて下ろす。これがネガティブ懸垂。
筋肉は縮む時(上げる)より伸びる時(下ろす)のほうが大きな力を出せる。だからネガティブだけを繰り返すと、上げる筋力も一緒に育っていく。1回を5秒くらいかけて下ろすのを、5回×3セット。
ステップ3:バンドアシスト懸垂
トレーニングバンドをバーに巻きつけ、輪の部分に足や膝をかけて懸垂する。バンドが縮む力で体を押し上げてくれるので、負荷が軽くなる。
強いバンドから始めて、慣れてきたら細いバンドに変えていく。アシストを少しずつ減らしていけば、いつの間にか本番の懸垂に近づいている。この「アシストを減らす」プロセスが一番効く。
ステップ4:本番の懸垂1回
ステップ1〜3を数週間続けると、ある日ふっと体が上がる瞬間が来る。あごがバーを越えたら、それが記念すべき懸垂1回目だ。
1回できたら、あとは同じことの繰り返しで2回、3回と伸びていく。最初の1回が一番遠くて、そこを越えると一気に楽になる。
ジムなら「アシストチンニング」と「ラットプルダウン」
ジムに通っているなら、練習の効率は自宅より上げやすい。使うべきマシンは2つ。
アシストチンニングマシンは、膝を乗せるパッドが体を押し上げてくれる懸垂専用マシン。重り(アシスト重量)を重くするほど楽になる。バンドアシストと同じ考え方で、アシストを毎回少しずつ減らしていく。
ラットプルダウンは懸垂と同じ引く動作を、座って重量を調整しながらできる種目。ここで背中の筋力そのものを底上げしておく。目安として、自分の体重と同じ重量を8回引けるようになると、懸垂1回がかなり現実的になる。
この2つを組み合わせるのが、ジムでの最短ルートだと思う。ジムのメニューの組み方に背中の日を作って、そこに入れ込むといい。
自宅でやるなら懸垂バー選びから
自宅派なら、まず環境を用意する。選択肢は主に3つ。
- ドア枠に取り付けるバー:一番安いが、耐荷重とドア枠の強度をよく確認すること。外れると危ない
- 突っ張り式の懸垂バー:省スペースだが、これも設置の安定性が命
- チンニングスタンド(懸垂スタンド):場所は取るが一番安定して安全。長く続けるならこれ
自分は自宅トレの環境についてはホームジムの作り方に詳しくまとめている。懸垂は落下のリスクがある種目なので、安さより安定性で選んでほしい。 グラつくバーで練習するのは40代の体には危険すぎる。
自宅にバーがまだないなら、ステップ1の斜め懸垂はダンベルローイングで代用しながら背中を育てておくのもありだ。
握力で先に限界が来る人へ
「背中はまだいけそうなのに、手が滑って落ちる」——これは筋力ではなく握力の問題。対策はシンプルで、リストストラップを使う。
ストラップでバーと手首を固定すれば、握力に頼らず背中の力だけを使い切れる。「握力に逃げられて背中を追い込めない」状態から抜け出せる。
ストラップは背中やデッドリフトで必須級のギアなので、1本持っておいて損はない。ただし握力そのものも並行して鍛えたいなら、たまにはストラップなしでぶら下がる時間も作るといい。
体重が重いなら減量も並行する
冒頭でも書いたが、懸垂の難易度は体重に直結する。筋力を上げるのと同時に、体重を落とせば両側から難易度が下がる。
たとえば体重75kgの人が3kg落とせば、引き上げる重さが3kg軽くなる。3kgのプレートを外して懸垂するのと同じ効果だ。これは地味だが確実に効く。
お腹まわりが気になっているなら、なかなか体重が落ちない原因を先に潰しておくと、懸垂とダイエットの両方が前に進む。
どのくらいで1回できるようになる?(期間の目安)
一番気になるところだと思う。正直に言うと、個人差が大きくて一概には言えない。体重、元々の筋力、練習頻度で全然違う。
ただ、目安として——週2回、ステップ1〜3を真面目に続ければ、多くの人が数ヶ月で1回目にたどり着く印象がある。体重が重い人や運動歴が浅い人はもう少しかかることもある。
大事なのは焦らないこと。40代からでも体は変わるし、停滞しても続けていれば必ず動き出す。懸垂1回は、続けた人が確実にたどり着けるゴールだ。
まとめ
| 状況 | やること |
|---|---|
| そもそもぶら下がれない | まず斜め懸垂(オーストラリアン懸垂)で引く感覚を覚える |
| 上げられないが下ろせる | ネガティブ懸垂を5秒かけて下ろす |
| あと少しで上がりそう | バンドやアシストマシンで補助を少しずつ減らす |
| ジムに通っている | ラットプルダウン+アシストチンニングの2本立て |
| 自宅でやりたい | 安定した懸垂スタンドを用意する |
| 握力で先に落ちる | リストストラップを使う |
| 体重が重い | 減量を並行して難易度を下げる |
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懸垂は背中づくりの一環。まわりの種目もあわせて鍛えると伸びが早い。
- ダンベルトレーニング — 自宅で背中を育てる
- デッドリフト完全ガイド — 背中全体を強くする
- ホームジムの作り方 — 懸垂スタンド選びの詳細
※本記事は個人の体験と一般的な知見に基づいた情報です。トレーニングは自己責任で行い、痛みや異常を感じた場合は中止して医師にご相談ください。